乾燥剤や脱酸素剤は、輸送時の防湿・脱酸素や内容物の長期保存などの目的で様々な分野で活躍しています。
サステナブルな社会の形成の観点からも、乾燥剤や脱酸素剤を使用することで、賞味期限の延長や廃棄物削減の効果が期待できます。
乾燥剤とは、密封された袋の中で、袋内に残った水分を吸収し、乾燥状態を維持するものです。
乾燥剤の主な3タイプについてご紹介します。
原理 | 主原料 | 特徴 | |
物理吸着型 | 素材に無数の穴が開いており、水分子の分子間力で穴に水分を吸着。 |
シリカゲル (二酸化ケイ素) |
一般的に目にする機会が多いものは粒状。水分を吸収してもベタつきや形状変化がなく、無味無臭で毒性もない。水と結合力が弱いため、高温化や気圧の変化で放湿する。 |
アロフェン (シリカ・アルミナゲル) |
シリカゲルに匹敵する吸湿力、一般的な活性炭を凌駕するVOC吸着・脱臭性能。 | ||
ゼオライト (結晶性アルミノケイ酸塩) |
低湿度域での吸湿性に優れる。匂いの吸着にも効果。 | ||
化学反応型 | 水分子と反応して水酸化物になる性質を利用して吸着。分解温度以上にしないと水分を放さない。 | 生石灰(酸化カルシウム)が代表 | 一度吸湿した生石灰は消石灰(水酸化カルシウム)へと物質変化するため、再利用不可能。急激な水和熱の発生(発熱)を抑制するタイプも有り。 |
結晶水型 | 水分に触れると溶け始め、最後には液体になる性質を利用して空気中の水分を吸着。 | 塩化カルシウムが代表 | 吸湿能力が強力で物理的には自重の約3~4倍の吸湿を行う。湿気吸収し、液化してゼリー状になる。ピロー包装内で、スマートな包装が可能。 |
よく流通している乾燥剤の形態としても、パウチ、打錠したタブレット、タブレットを誤飲防止ラップしたもの、ボトルキャップ(パッキング兼用)、パルプに保持させ両面をフィルムで貼り合わせたシート状など用途に合わせて様々です。
脱酸素剤が密閉容器内の酸素を吸収して脱酸素状態を実現することで、内容物が酸素から受ける影響を取り除きます。
真空包装やガス置換包装では、包装外から透過した酸素を除去することが困難ですが、バリア性がある包装内に脱酸素剤を封入することで、簡単に長期間にわたり脱酸素状態をつくりだすことが可能です。
脱酸素剤の主な3つのタイプについてご紹介します。ご提供形態は袋状が主です。
タイプと原理 | 主原料 | 特徴 | |
鉄系 水分依存型 |
鉄が酸化する(さびる)際、周りの酸素を吸収する。 |
特殊処理された鉄粉 (酸素等と反応した後は酸化鉄や水酸化鉄に変化) |
脱酸素剤が高湿度の空気に触れてはじめて酸素を吸収します。乾燥食品等には使えません。 |
鉄系自力反応型 |
脱酸素剤自体が反応に必要な水分を持っており、空気に触れると酸素吸収を始めます。空気中の湿度が低くても酸素吸収できます。 | ||
非鉄系自力反応型 |
成分が酸化分解を受け、まわりの酸素を吸収する。 | アスコルビン酸ソーダ、またはエリソルビン酸ソーダ等の有機系物質 |
金属探知機を通すことできます。 (混合成分などにより金属探知機で非鉄球等の設定が必要となることがあります。) |
内容物を湿気や酸素から守るためには、乾燥剤や脱酸素剤・バリア包装材料・適切なシール の組み合わせが重要です。
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