包装の豆知識のコーナーにようこそ!
さて、今回はイージーピールについてお話したいと思います。
イージーピールとは、プリンやゼリーのふたフィルムのように開封時に手で簡単にめくり開けることをいいます。
イージーピールは、密封性を確保しつつ開封のしやすさも持つ、といった機能を満たさなければならないため、包装形式や内容物の性状・容量、後処理の有無、保管条件なども十部考慮して、包装設計をしておく必要があります。
そのめくり開ける機構は3種類ほどあり、界面剥離、層間剥離、凝集剥離と呼ばれています。
剥離方式と特徴

界面(かいめん)剥離
被着体どうしの界面(例:ふたフィルムの一番内層にあるフィルムと、容器側シール部側との接する面)で剥離する方式。
剥離した後の面が比較的きれいであり、剥離痕はほとんど残らない。ただし、シール強度が安定しにくい、ソフトピール感に欠けるなどの欠点もある。
層間(そうかん)剥離
シーラントフィルムが2層以上の共押出ラミネートで作られており、その個々の層の間で剥離する方式。
容器側に溶着した後の強度よりも、シーラント層内部の層間強度の方が低くなるように設計されている。
シール条件の影響を受けにくく、安定した開封強度が出せるが、比較的シール強度は弱め。またシール形状によっては幕残りが発生することがある。
凝集(ぎょうしゅう)剥離
異種材料をブレンドしたシーラントフィルムを用い、めくり開ける動作の際にシーラント層の内部破壊が起こることで剥離する方式。
シーラントに用いる素材は被着体の材料と溶着しやすいものと溶着しにくいものを適切にブレンドする必要がある。
ピール感は強めであり、開封後に剥離痕(羽毛のような毛羽立った感じや膜残り)が発生しやすい。

イージーピールの機能を発現するには、包装資材や製造条件を適切に選定するだけでなく、実はシールの形状も影響します。
同じめくり強度でも、指で持つ部分の大きさや、開封方向に直交するシールの幅の変化の量などによって、人が感じるめくりの強さが変わることがあります。
ちなみに、めくり開ける際の目安のシール強度の強さは、大体3~7N/15mm幅くらいが良いと言われています。