包装の豆知識Packaging Tidbits

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易開封技法

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
さて、今回は開けやすさの工夫についてお話したいと思います。

前回は包装袋のノッチについてお話ししましたが、ノッチのない袋でも開封しやすい工夫がされた製品が数多く販売されています。醤油やワサビの小袋、コーヒーのスティック袋、顆粒状医薬品の小袋など・・・それらはどのような技術が使われているのでしょうか?

大きく分けて、もともと切れやすい素材を使う方法と、包装材料に切れやすくする加工を施す方法とがあります。

まず、素材についてですが、包装材料はいろいろなプラスチックや紙、アルミニウム箔を組み合わせて作られていることはお話してきました。通常、包装材料は簡単に切れたり破れたりしないように物理的な強度を必要としますが、逆に言えば手では簡単に切れないということです。

そこで手でも簡単に切れるような素材を採用することで、ノッチがなくても手で開封できるようになります。
代表的な素材は、セロハンや紙、アルミニウム箔、一部のプラスチックフィルムなどの素材をうまく組み合わせ、必要な包装機能を満たしつつ開封性にも配慮した包装にすることができます。

次に、包装材料に切れやすくする加工についてですが、これらは各社から様々な技法が考案されて採用されています。

ひとつは、PETやOPPなどのベースフィルムにあらかじめ任意の微細なキズをつけて、切れやすくしたものをラミネートフィルムとして使用する方法です。
キズをフィルム全面に施せば、セロハンや紙のようにどこからでも切れるようになりますし、あらかじめ場所を指定してキズをつければ、特定の場所からしか切れないようになります。

次に、通常のラミネートフィルムとして貼り合わせ加工をした後に、刃物やレーザーなどを使ってフィルムの外側からキズをつけることで、切れやすくする方法です。
この方法では、包装製品を包む部分でキズがフィルムを全貫通してしまうと、密封性が保証できなくなりますので注意が必要となります。

技術的には密封性への影響が出ないように、シールをする部分に全貫通のキズをつける方法と、ラミネートフィルムのベース部分にのみキズをつける方法があります。

いずれの方法も、キズをつける場所とキズの入れ方をしっかりコントロールしておかないと包装製品の品質に影響を与えるため、細心の注意が必要です。

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