包装の豆知識Packaging Tidbits

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ノッチ

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
さて、今回は袋の開け口にある小さな切れ込み、いわゆるノッチについてお話したいと思います。

袋製品を開ける際、皆さんはどうやっていますか?
ハサミを使うという方もいらっしゃるかと思いますが、手で開ける方が簡単だと思います。
その際、どこから開けるか開け口を探すことになりますが、大抵は袋の端部に「開け口」や「ここから開封」などの表示があるかと思います。

開け口のところをよく見ると、切り込みが入っていたり、フィルムの一部分が切り取られていたりしていませんか?
これが「ノッチ」と言われる部分になります。

ノッチ

ノッチは、その形状から以下のような種類があります。

  • I(アイ)ノッチ :アルファベットのIのように、短い直線状の切り込みになっているもの
  • V(ブイ)ノッチ :アルファベットのVの字ように、三角形状に切り取られているもの
  • U(ユー)ノッチ :アルファベットのUの字のように、半円+四角状に切り取られているもの
  • ホームベースノッチ:ホームベース状の5角形に切り取られているもの
ノッチの種類

Iノッチは単に切り込みが入っているだけですので、パッと見てすぐに位置がわかりにくい場合がありますが、それ以外のノッチは袋の一部が切り取られているので、どこにノッチがあるかわかりやすいです。


では、なぜノッチが入っていると、袋が開けやすくなるのでしょうか?

プラスチックフィルムでできた袋を手で開ける場合を考えてみましょう。
まず袋の開け口付近を両手でつまんで、引き裂こうとすると思います。その時、袋には引き裂く方向に応力がかかり、引っ張られます。
そして、材料の強度以上の応力で引っ張られると、材料が引き裂かれて袋が開くようになります。

この時、ノッチがあると引っ張り方向の応力がノッチ先端に集中し、小さな応力でも引き裂かれてしまう、つまり、開けやすいと感じるようになるのです。

当社でプラスチックフィルム製の4方袋を用いて、ノッチの有無による比較開封実験を行いましたが、Iノッチ入り袋の開封力は、ノッチのない袋の開封力の約1/2であったというデータが得られています。

このようにプラスチック材料の切り込み部分に応力が加わると、その部分が材料強度以下の外力で破壊することがしばしばあり、一般にこれをノッチ効果と呼んでいます。
プラスチック板(例:アクリル板など)をカットする際、表面にカッターナイフなどで切り込み(切溝)を入れると、手で簡単に割ることができますが、これがまさにノッチ効果を利用したものになります。

しかし最近の袋は、ノッチがなくても簡単に手で開封できるような製品もありますね。それは一体どのような技術が使われているのでしょうか?こちらについては次回お話ししたいと思います。

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