包装の豆知識Packaging Tidbits

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封かん(シール)2

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
前回に引き続き、封かん(シール)についてお話していきたいと思います。

前回は外部加熱方式のヒートシールについてお話しましたが、今回は内部加熱方式についてのお話です。
内部加熱方式もヒートシールと同様に包装材料に熱を加えて融着させますが、その加熱方法がヒートシールとは異なります。

シール方式

シール方式

内部加熱方式にもいろいろありますが、代表的なものとして超音波シールと呼ばれるものがあります。

超音波と聞くと、音の何かを使ってシールするのかと思われるかもしれませんが、音ではなくいわゆる「振動」を利用します。
超音波シール機には、振動子が組み込まれており、この振動子で発生した振動を増幅させ、シール金型を通じて融着させたい材料に圧力を加えながら伝達させます。
そうすると材料同士が接触面において、高速で擦り合わせられることで摩擦熱が発生し、その熱を利用して融着します。

超音波シールの機構

イメージとしては、寒い時期に手のひら同士を擦り合わせると、手が温かくなりますよね。
これと同じようなことが、融着面で発生しているイメージです。


次に超音波シール以外の内部加熱方式としては、高周波シールという方法もあります。

一般的なプラスチックは金属とは違い、電流を通さないことはご存じだと思います。
電流を通すものを導電体、電流を通さないものを絶縁体と分類されます。

厳密に言うと、直流と交流の両方とも電気が流れないものが絶縁体であり、直流の電気は流れないが、交流ではその周波数に応じてインピーダンス(抵抗)を持ち、見かけ上、電気が流れるものを誘電体とに分類されます。

汎用プラスチックのほとんどは誘電体であり、交流の電気を流すと、内部抵抗が発生しプラスチックそのものが発熱します。
この熱を利用してシールをする方法を高周波誘電加熱、または高周波ウェルダー高周波ミシンと呼ばれます。

高周波ウェルダーの模式図

高周波ウェルダーの模式図

高周波誘電加熱方式によるシールは、主に塩化ビニルや塩化ビニリデン同士のシールに利用されています。


高周波シールにはもうひとつの方法があり、それが高周波誘導加熱方式です。
これはいわゆる電磁調理器の発熱の仕組みと同じで、電磁誘導加熱とも呼ばれます。

高周波誘導の原理は、金属体を配置したコイルに交流電源を流すと、コイル内を流れる電流により磁界が発生します。
この磁界により誘導損失(ヒステリシス損)が発生し、結果として熱が発生します。

誘導加熱の原理

誘電加熱の原理

また、交流によって変化する磁場内で、金属などの導電体があると、導電体内部に渦状の電流(渦電流)が生じることでジュール熱が発生します。
この導電体で発生するジュール熱を利用してシールする方法はインダクションシールと呼ばれ、ガラス瓶やボトル容器のふたシールに利用されています。
この時のふたシールには、アルミニウム箔を層構成の中に組み込んでおきますが、これはバリア機能と電磁誘導加熱による発熱機能の両方を発現させるためです。

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