包装の豆知識Packaging Tidbits

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封かん(シール)1

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
さて、今回は封かん(シール)についてお話したいと思います。

包装とは中身の価値および状態を保護するという目的がありますが、そのためには包装袋や容器に中身を充填し、封かんすることが重要になります。

日本産業規格(JIS Z0108「包装用語」)によると、封かんとは「物品又は包装物品を容器に収め,又は包んだ状態の開口部分を封じて、内容物品を保護する行為。機械的に密封する方法,溶剤による方法,接着剤又は粘着剤を用いる方法、熱融着を利用する方法などがある。」と書かれています。 

シール方式

ここでは、包装袋などを封かんする際によく利用している熱融着について見ていきましょう。


熱融着はヒートシールとも呼ばれる方法です。ヒートシールの名のとおり、熱を利用して包装材料同士を加熱溶融させてくっつけるというものです。

ヒートシールには大きく分けて、外部加熱方式と内部加熱方式とがあります。
前者は加熱された金属板を外部から押し当てるなどして熱伝導により包装材料を加熱させて融着する方法であり、後者は外部から振動や高周波などを与えることで包装材料の内部で発熱させ、その熱により融着する方法です。

汎用的に使われているのは外部加熱方式であり、シール状態の良し悪しに関わる条件としては、シール時の「温度」、「圧力」、「時間」の3つが挙げられます。

ヒートシールの仕組みとして、ラミネートフィルムを用いた四方シール袋をシールする際を例として説明します。

ヒートシールの機構

まず、袋の外部から加熱された金属板をシール部分に押し当てます。すると金属板から熱がフィルム内部に浸透していき、シーラントフィルムまで到達します。

そして、シーラントフィルムの温度が上昇し、フィルムが柔らかくなり動くようになることで、相手方のフィルムと溶け合う形になります。十分に溶け合った後、金属板がシール部から離れ、フィルムは冷却されます。そして溶け合った部分も冷えて動かなくなりシールが完了します。

このとき、シールの一番重要なことは加熱温度を適正に管理することです。温度が低いとシーラントフィルムを融着できず、逆に温度が高すぎるとフィルムが傷んでしまい外観上の不良やシール強度の低下が発生します。

また金属板を押し当てる際の圧力も重要で、金属板をフィルム表面に接触させるだけでもシーラントフィルムまで熱は伝わりますが、まったく圧力をかけない状態でシーラントフィルムを重ね合わせるだけではシールは不完全なものになります。

例えば、2枚の粘土の板状のものをそっと重ねても、それ同士は完全にくっつくことはできておらず、簡単に剥がすことができます。一方、2枚を重ねた後、ぐっと挟み込むような形で力を加えると、先ほどのように簡単には剥がれなくなります。

これはお互いの粘土が相手側の粘土に食い込むような形で一体化しているのですが、このようなことがヒートシールをする際のシーラントフィルム同士でも起こります。

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