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サステナブルパッケージとは?特徴や導入事例・選ぶときのポイントなどを紹介

サステナブルパッケージとは?特徴や導入事例・選ぶときのポイントなどを紹介

近年、環境配慮という意識が世界中で強まっており、日本でも環境にやさしい素材を使った「サステナブルパッケージ」が注目されています。

この記事では、サステナブルパッケージとはどのようなものなのか詳しく解説します。
サステナブルパッケージのメリット・デメリット、導入事例などもまとめているため、参考にしてみてください。

サステナブルパッケージとは

サステナブルパッケージとは

サステナブルパッケージとは、「サステナブル(Sustainable)」が意味する「持続可能な」という意味から、持続可能性のあるパッケージのことを指します。

つまり社会的・環境的側面に配慮しながら経済活動を発展させることができるパッケージのことです。

ここではサステナブルパッケージの特徴や重要性について解説します。

サステナブルパッケージの特徴

サステナブルパッケージの中には、再生可能な資源や再生素材を使用しており、リサイクルが容易であるものがあります。

また製造プロセス自体もエネルギー効率が高く、環境負荷を抑える工夫がされています。
さらに使用後のゴミが少ないデザインや、有害物質を排出しないことも特徴の一つです。

これらの要素により、環境への配慮が行き届いているものはサステナブルパッケージであると言えます。

サステナブルパッケージを選ぶ重要性

これらのサステナブルパッケージを選ぶことで、環境負荷を低減できます。

企業が持続可能な包装を採用することで、プラスチックごみの削減や資源の効率的な利用が進むため、地球全体の環境負荷が軽減されるのです。

また消費者も環境に配慮した製品を選ぶことで、持続可能な社会の実現に貢献できます。

サステナブルパッケージを選ぶうえで大切な要素

サステナブルパッケージを選ぶ際には、まず素材の持続可能性と包装機能の両立が重要です。
再生可能な資源から作られた素材や、生分解性の高い素材を選ぶことが求められます。

また包装のリサイクル性も考慮する必要があります。
リサイクル工程が簡単かつリサイクルされやすいものを選ぶことが理想で、製造過程におけるエネルギー消費や温室効果ガス排出の少なさもチェックポイントとなるでしょう。

しかしながら、いくら素材がサステナブルでも、包装機能が不十分であれば、生産効率の悪さや品質保持機能の不足により、製造ロスが出ることになります。
これでは逆にサステナブルとは言えなくなるでしょう。

サステナブルパッケージの種類とそれぞれの特徴

サステナブルパッケージの種類とそれぞれの特徴

サステナブルパッケージには以下の4つの種類が挙げられます。

  • リサイクル可能な素材
  • 生分解性素材
  • 植物由来素材
  • 再生素材

ここでは上記4つの特徴についてそれぞれ解説します。

リサイクル可能な素材

リサイクル可能な素材を使用したパッケージは、廃棄物を削減する効果的な手段です。

リサイクル可能な素材としては、ガラス、アルミニウム、紙、特定のプラスチックなどが挙げられます。
これらの素材は回収・再処理され、新たな製品として再利用されることで、ごみの削減や資源の節約に大きく貢献します。

生分解性素材

生分解性素材は微生物の働きによって自然に還る特性を持ち、環境への負担を大幅に軽減することができます。

従来のプラスチックは分解に時間がかかるため環境負荷が高く、海洋ごみ問題の原因の一つともされていますが、生分解性プラスチックは比較的短期間で分解されるのです。

一般的にはPLA(ポリ乳酸)やPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)などが生分解性プラスチックとして知られています。

植物由来素材

植物由来素材とは、トウモロコシやサトウキビなどの植物を原料として作られた素材を指します。

これはバイオマスプラスチックと呼ばれ、成長過程で二酸化炭素を吸収する植物を使用することでカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)を実現します。

植物由来素材の具体的な例としては、PLAが挙げられます。

PLAはトウモロコシなどに含まれるデンプンを原料とした植物由来の生分解性プラスチックで、耐熱性や成形性に優れており、さまざまな用途に利用されています。

再生素材

再生素材とは、一度使用された素材を再利用して新たな製品を作ることを目的とした素材です。

これにより廃棄物の量を減らし、資源の有効利用を図ることができます。
具体的には、リサイクルプラスチックや再生紙などが再生素材に該当します。

再生素材を利用することで環境負荷を低減し、持続可能な経済を目指すことが可能です。

サステナブルパッケージの導入事例

サステナブルパッケージの導入事例

サステナブルパッケージの導入事例を3つ紹介します。

飲料メーカー

飲料メーカーの場合、ペットボトルのゴミが海洋汚染などの環境問題に直接かかわっているため、環境にやさしい取り組みを行っている企業が多く見られます。

ペットボトルを化学的に分解して原料に戻し、新たなペットボトルとして再利用することや、リサイクルのしやすいラベルレス容器の販売を行う企業もあります

また日本の飲料メーカーでは、再生PET樹脂を100%使用したペットボトルを採用し、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを行っている企業もあります。

コスメブランド

コスメ用品では金属やプラスチックを組み合わせたパッケージがよく見られますが、サステナブルパッケージを導入しているコスメブランドも増えてきています。

具体的な取り組みとしては以下のようなものがあります。

  • 化粧箱のバージンシールの代わりにミシン目を採用し、紙のみを使用したパッケージにする
  • 説明書を化粧箱内部に直接印刷することで廃棄物を減らす
  • 焼却時のCO2を大幅に削減できる包装・容器素材を採用
  • 既存商品の包装資材のスリム化

特にコスメ業界では環境への影響が大きい過剰包装も問題視されていますが、今後はサステナブルな社会の実現に向けてそれらの見直しが続いていくことが予想されるでしょう。

食品企業

食品業界においても、サステナブルパッケージを採用する企業が増えてきています。

例えば、卵殻を利用した繊維成形品の製造や、バイオマスプラスチックの拡大を目的としたプロジェクトや、廃食油のアップサイクルプロジェクトを推進するなどさまざまな取り組みを行っています。

サステナブルパッケージのメリット

サステナブルパッケージのメリット

サステナブルパッケージのメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 環境への負担を軽減できる
  • 企業のイメージを向上できる
  • ビジネスチャンスが拡大する

ここでは上記3つのメリットについてそれぞれ解説します。

環境への負担を軽減できる

サステナブルパッケージの最も重要なメリットは、環境への負担を大幅に軽減できる点です。
リサイクル素材や生分解性素材を使用しているため、廃棄物の削減に効果的です。

また製造工程においても従来のプラスチックや化学添加物を排除することで、温室効果ガスの排出量を削減できます。

サステナブルパッケージは環境保護の観点から非常に重要なもので、持続可能な未来の実現を目指せます。

企業のイメージを向上できる

サステナブルパッケージを導入することによって、企業は環境問題に真剣に取り組んでいる姿勢を示すことができます。
このような取り組みは、ステークホルダーや消費者に好印象を与えるでしょう。

実際に多くの消費者は購入する製品の環境負荷を考慮する傾向が強まっており、サステナブルな取り組みが評価基準の一つとなっています。

こうした消費者の期待に応えることで、企業のイメージは向上し、社会からの信頼も高まります。

ビジネスチャンスが拡大する

サステナブルパッケージを採用することで、新たなビジネスチャンスが生まれます。
環境配慮型の製品は消費者の注目を集めやすく、売り上げ向上に繋がる可能性があるのです。

またサステナブルパッケージは企業がESG(環境・社会・ガバナンス)に対応する姿勢を示すための重要な要素でもあります。
これによりESG投資家からの評価が高まり、企業価値の向上に寄与します。

そしてサステナブルな取り組みは企業のブランド力を高め、中長期的な成長を支える要因となるでしょう。

サステナブルパッケージのデメリット

サステナブルパッケージのデメリット

サステナブルパッケージのデメリットは以下の3つです。

  • 素材によっては製品維持力が低い可能性がある
  • コストが高くなる可能性がある
  • パッケージデザインの幅が狭くなる可能性がある

ここでは上記3つのデメリットについてそれぞれ解説します。

素材によっては製品維持力が低い可能性がある

サステナブルパッケージに使用される植物由来素材や再生素材は、一部のケースでは、従来のパッケージ材と比較して製品の維持力が劣る可能性があります。

耐久性や防湿性において十分でない素材では、製品の品質を損なうリスクも伴います。

このような状況下ではパッケージ自体が製品の耐用性を十分にサポートできないため、結果として消費者の信頼を失うリスクがあるため注意が必要です。

コストが高くなる

サステナブルパッケージの導入には、高いコストが伴う場合がほとんどです。
再生素材やエコフレンドリーな素材は従来のパッケージ材よりも高価になりやすいです。

特に中小企業や新興企業にとっては、コストの増加が大きな経済的負担となる可能性があります。

パッケージデザインの幅が狭くなる可能性がある

サステナブルパッケージのデザインは、使える素材や製造技術の制約により、従来のパッケージよりもデザインの幅が狭くなる可能性があります。

例えば特定の形状や色、印刷技術が利用できないことから、デザインの選択肢が限られてしまうのです。
これによりブランドの独自性を保持するのが難しくなる可能性が考えられます。

また消費者に視覚的にアピールするデザインの選択肢が減ることは、マーケティング戦略においても一定の制限を受けるということになるでしょう。

サステナブルパッケージを選ぶときのポイント

サステナブルパッケージを選ぶときのポイント

サステナブルパッケージを選ぶときは以下の2つのポイントを押さえましょう。

  • 内容物に適した素材を選ぶ
  • サステナビリティに配慮した企業を選ぶ

ここでは上記2つのポイントについてそれぞれ解説します。

内容物に適した素材を選ぶ

サステナブルパッケージの選定において、最初に考えるべきは内容物に適した素材を選ぶことです。

製品の用途や使用シーンに合わせて耐久性や硬さ、透明度などの特性を持った素材を選ぶことが重要です。

逆に素材選定に失敗すると、使用時に破損しやすかったり、必要な性能を満たせなかったりするリスクが高まります。
素材選定に迷う場合は、素材に関する専門知識を持つ企業に相談してみましょう。

サステナビリティに配慮した企業を選ぶ

サステナブルパッケージを製作するには、サステナビリティに配慮した企業を選ぶことが不可欠です。

製作依頼をする企業のホームページをきちんと確認し、企業の経営方針やサステナビリティに対する取り組みを理解することが大切になります。

企業のホームページには、再生可能素材の使用やリサイクルの取り組み、二酸化炭素排出削減の努力などが記載されていることが多く、これにより、依頼先の企業が環境に優しい取り組みをしているかどうかを見極めることができます。

自社や自身のサステナビリティの認識と一致しているかを確認することで、持続可能な社会の実現に寄与するサステナブルパッケージの製作が可能となるでしょう。

まとめ

サステナブルパッケージの導入は、環境への負担軽減や企業のイメージ向上といったメリットがあります。

リサイクル可能な素材や生分解性素材、植物由来素材、再生素材などの種類があるため、サステナブルパッケージを導入する際は自社製品に適した種類を選ぶことが大切です。

またサステナブルパッケージを選ぶときは、サステナビリティに配慮した企業を選ぶようにしましょう。

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