包装の豆知識Packaging Tidbits

包装材料とプラスチック

包装の豆知識のコーナーにようこそ!

「包装材料」とひと口に言っても様々なものがあります。
例えば、紙や木材、金属やガラスなどもありますが、今回は主にプラスチックについて取りあげていきたいと思います。


そもそも「プラスチック」とは何でしょう?
日本産業規格JISの中では、プラスチックとは「高分子材料を主原料として、人工的に有用な形状に形作られた固体。ただし、繊維、ゴム、塗料、接着剤などは除外される。熱可塑性と熱硬化性に大別される。フィルム、シート、各種の成形品に加工される」と定義されています。

つまり分子(炭素(C)や水素(H)などが結合したもの)が、たくさん集まった塊みたいなものです。 繊維やゴム、塗料、接着剤もプラスチックと同じ高分子材料ではありますが、プラスチックとは区分けをされています。


また、プラスチックは「熱可塑性(ねつかそせい)」と「熱硬化性(ねつこうかせい)」に大別されますが、包装材料の用途で使用されるものは熱可塑性のものになります。

ここで、「熱可塑性」とは、加熱すると柔らかくなり流動性を示すようになり、冷えると固まってしまうが、再び加熱するとまた柔らかくなる…といったことを繰り返す性質のことを言います。加熱/冷却の間、化学的変化は起きないというのも特徴になります。

一方、「熱硬化性」とは、どういったものでしょうか?加熱をすると柔らかくなり流動性を示しますが(ここまでは熱可塑性と同じです)、そのままにしておくと、化学反応(縮合:しゅくごう)が起こり、分子間に架橋が起こって三次元的な構造の高分子化合物に変化してしまいます。
こうなると再び加熱をしても溶融はしなくなります。

つまり、「熱硬化性」とは、加熱による内部化学反応が起こった後は、再び加熱溶融はできずに硬化したままになる性質のことを言います。
包装材料は、加熱をしてシールをしたり、成形したりして包装作業を行っていくので、熱可塑性の性質を持つものの方が使用に適しているのです。


次に、プラスチックの特徴として、一般的に以下が挙げられます。

  1. 成形性に優れる(加工しやすい)
  2. 透明性、着色性を有する
  3. 軽量である
  4. 耐衝撃性に優れる
  5. 耐腐食性、耐薬品性に優れる
  6. 電気絶縁性に優れる
  7. 断熱性がある
  8. 耐水性がある

これらは、包装材料として使われる金属や紙、ガラスなどにはない特徴もあり、非常に有用な性質を多く持っていることがわかります。
もちろん包装材料用途だけでなく、家庭用品や電化製品、雑貨、建材などあらゆる分野でプラスチックは使用されていることから、幅広い用途に使える稀有な材料であるとも言えます。

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