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ポリエチレン

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
今回は、「ポリエチレン」がテーマです。

前回のラミネートフィルムの説明の際にも少し触れましたが、シーラントフィルムにも使われる素材であり、包装用途をはじめ身の回りにある様々な製品にも使われています。
2021年度のプラスチック原材料生産実績(日本プラスチック工業連盟 発表)では、ポリエチレンは2,445千トンで、熱可塑性樹脂の総生産量の約26%を占めています。(ちなみに1位はポリプロピレンの2,463千トンで、若干の差でした。)


ポリエチレン(Poly Ethylene 略称:PE)は、「エチレン(C2H4)」が重合した構造を持つ高分子です。
ポリエチレンは密度によって低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)の3種類に分類されています。

低密度ポリエチレンは、包装用フィルムに使われることが多く、主にシーラント用として使用されています。
高密度ポリエチレンは、レジ袋など一部の用途で包装用フィルムとして使われていますが、容器(ボトル等)の素材として使われることの方が多いようです。
残りの中密度ポリエチレンはというと・・・最近はめっきり見かけることはなくなりましたね。


包装用フィルムでよく使われる低密度ポリエチレンですが、次のような特徴を持っています。

■良い点
ヒートシール性が良好である
・透明性がある
・耐薬品性がある
・低温でも柔軟性がある

■劣る点
・気体透過率が大きい
・耐熱性に劣る
・耐油・耐グリースに劣る
・そのままでは印刷インキや接着剤が塗りにくい

フィルムを使って包装する際、フィルムに熱と圧力を加えて密封するヒートシール法がよく使われています。
低密度ポリエチレンはもともとヒートシールしやすい性質を持っているので、包装用のシーラントとして非常に幅広い分野で使用されているのです。


また、低密度ポリエチレンの強度アップ版ともいえるのが直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)です。
シール性能や物理的な強度が低密度ポリエチレンよりも優れており、こちらも様々な分野で使われています。

低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなど名前が長いので、包装業界ではLDPEやLLDPEなどの略号を使って表記することが多いです。皆さんの身の回りにあるパッケージにも、使われている素材の情報を表示していることもあるので、いろいろな略号を探してみてはいかがでしょうか?

参考:プラスチック略号一覧

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