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ポリアミド

包装の豆知識のコーナーにようこそ!

今回は、「ポリアミド」がテーマです。

「ポリアミド」という名前はなじみがないと思いますが、「ナイロン」なら皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
「ナイロン」という名称、実はポリエチレンやポリプロピレンのような樹脂の一般名ではなく、商品名なのです。

「ナイロン」は米国の大手化学メーカーであるデュポン社が開発・販売していた樹脂で、1968年にユニチカ(当時:日本レイヨン)が世界で初めてフィルムの商業化に成功しました。

ナイロンはポリエステルやアクリロニトリル、ビニロンとともに当時の四大合繊として大変多く使われていたため、そのまま「ナイロン」という名が定着していきました。

しかし現在は「ナイロン」という呼び名はデュポン社の商品名であるため、樹脂の一般名として「ポリアミド」という呼び名を用いるようになっています。


包装用フィルムの分野でもポリアミドは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、OPP(延伸ポリプロピレン)と同じように二軸延伸されたものがラミネートフィルムのベース材として使用されています。

二軸延伸されたポリアミドフィルムは次のような特徴を持っています。

良い点
透明性に優れる、強靭で耐突き刺し性が非常に優れる、耐熱性に優れる、耐薬品性がある
低湿度下では酸素バリア性が良い

劣る点
水蒸気バリア性に劣る、湿度によって酸素バリア性が変化する(湿度大→酸素バリア性低下)
酸に弱い(強酸で溶ける)、寸法変化がしやすい(収縮しやすい)


ポリアミドフィルムの一番の特徴は、何といっても耐突き刺しピンホール性です。

プラスチックフィルムで包装された製品にとって注意すべき点として、ピンホールの発生があります。

医薬品や化粧品に限らず食品分野でも包装フィルムにピンホールが発生すると、製品への影響が懸念されます。
液漏れ、吸湿、酸化による変色など、極々小さな穴が開いているだけで製品に様々な悪影響が及んでしまうことがあるためです。

ピンホールの発生原因はさまざまではありますが、外部から鋭利なものでフィルムを突かれた場合や、内容物に鋭利な部分が存在し、それがフィルムを内側から突いてしまう場合があります。

そういった問題が発生した場合、包装材料から改善する方法としてポリアミド系フィルムを外層や中間層に用いて対処するのです。

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