包装の豆知識のコーナーにようこそ!
今回取り上げるのは、インスタントラーメンの粉末スープや化粧品サンプル(配布用)などで見かける比較的小さな袋包装についてです。

袋の形について見てみると、一般的に外観は四角形で、それぞれの辺のうち少なくとも2つ以上がシール(熱シール)されているものとなります。このシールされている辺の数によって呼び方が変わり、以下のようになります。
・二方シール袋:チューブ状のフィルムをカットし、底部と天部をシールしたもの

・三方シール袋:1枚のフィルムを半分に折り曲げ、折り曲げ部以外の辺をシールしたもの

・四方シール袋:表用・裏用のフィルムを用意し、位置を合わせて上下左右の辺をシールしたもの

普段、三方シール袋か四方シール袋はいろいろな商品で採用されているので見たことがある方は多いと思います。
二方シール袋の形式は、ご家庭にもある”ポリ袋”をイメージしていただけると、形がわかってもらえるのではないかと思います。(ポリ袋は、底部しかシールはされていませんが…)
さて、二方、三方、四方と袋の形式を話してきましたが、袋の外寸(縦・横)と袋の材質が同じだった場合、内容物が多く入る順番はどうなるでしょうか?
答えは、①二方、②三方、③四方となります。
袋のある一辺について見てみると、フィルムを折り曲げた状態の方が、シールをされた状態よりも大きく開きやすくなるのです。このことから、袋を正面から見た場合、二方シールは左右の二辺が折り曲げた状態であり、バランスよく袋内部が広がります。
三方では左右のどちらか一辺が折り曲げた状態になりますが、もう一辺はシールされた状態になり、二方シールほど袋内部は広がりません。四方は左右の二辺がシールされているため、さらに広がりにくくなります。そうすると、答えのような結果になるのです。
言い換えれば内容量当たりの包装材料使用面積は、二方シール袋が最も小さく、四方シール袋がもっとも大きくなります。
つまり同じ内容量なら二方シール袋が一番小さくできるということです。
「え?じゃあ、二方シール袋にすれば包装材料使用量も少なくなって環境負荷も低減できるじゃん!」と思われる方もおられると思いますが、二方シール袋に使用できる包装材料が限られていたり、包装作業効率(印刷適性や生産性など)が悪かったりとなかなか難しいところもあるのが事実です。