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ポリ塩化ビニリデン

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
今回は、「ポリ塩化ビニリデン」がテーマです。

ポリ塩化ビニリデン・・・と言われて「あっ、あのプラスチックね」とわかる方はかなりの「包装通」 であると言えますね。
ポリ塩化ビニリデン(略号:PVDC)はバリア機能を持つ包装材料として多くの製品で採用されていますが、その一番の特徴は、水分と酸素の両方とも通しにくいという性質を持っている唯一のプラスチックであることです。

つまり、ポリ塩化ビニリデン以外のバリア性樹脂は、水分もしくは酸素のどちらか一方へのバリア性しかないとも言えます。
特に酸素バリア性樹脂には、周りの湿度が低いときは非常に酸素を通しにくいが、湿度が高くなると酸素が通りやすくなる性質(こういった性質を湿度依存性と言います)を持つものもあり、それらを使用する際には注意が必要になります。

その点、ポリ塩化ビニリデンはどのような条件でも安定してバリア性を発現してくれますので、非常に使い勝手のよい樹脂であると言えます。


ポリ塩化ビニリデンの特徴をまとめると以下のようになります。

良い点
・防湿性、ガスバリア性ともに優れる
・ガスバリア性の湿度依存性がない
・透明でフィルム強度があり、二軸延伸されたものはがある
・耐油性、耐薬品性に優れる
・耐熱性、耐寒性に優れる
・自己粘着性がある

劣る点
・強アルカリや紫外線により褐変(かっぺん:茶色っぽく変色すること)することがある
・シール性はあるが、一般的な熱板シール法ではシールができない(シールを行う際は、主に高周波シールが用いられる)
・燃やすとポリ塩化ビニルと同様に、塩素ガスが発生する。


ポリ塩化ビニリデンの包装材料用途としての採用分野は、医薬品と食品になります。

ポリ塩化ビニリデンをフィルム単層で使用する場合としては、まず、バリア性、密着性、耐熱性などの特徴を活かして家庭用ラップがあります。各御家庭にも1本はあるのではないかと思いますが、あの超有名な「サラ〇ラップ」と「ク〇ラップ」にポリ塩化ビニリデンが使用されているのです。その他、バリア性、耐熱性、収縮性の特徴を活かしてソーセージ、かまぼこ等の包装にも使用されています。

また、医薬品分野では錠剤やカプセル剤の包装でよく見かけるPTP(Press Through Pack)において、防湿性などのバリア性付与の目的でポケット側の透明シートの一部にポリ塩化ビニリデンが使用されている製品があります。

参考:ニーズに応じたPTP用成形シートのご提案

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