包装の豆知識Packaging Tidbits

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ポーションパック

包装の豆知識のコーナーにようこそ!
さて、今回はポーションパックについてお話したいと思います。

皆さんはポーションという名前を聞いたことはありますでしょうか?

JIS(日本産業規格)によりますと、ポーションパックとは「1人分、1回分などに前もって個分けした包装形態」と書かれています。例えば、総菜や弁当などに入っている醤油やソースなどの小型の容器や、小型のカップ状の容器にフィルムでフタをしたようなもので、大体1~10g程度の商品をイメージしてもらえればと思います。

ポーションパック

ポーションパックというと、何となく小型の成形容器に入ったものを指すと思われている方がいらっしゃいますが、前回お話ししました小袋において、1回使用分を包装したスティック包装や三方シール袋などもポーションパックに当たります。
小袋包装 ①
小袋包装 ②

ポーションパックは、食品・化粧品を中心に幅広い分野で採用されていますが、その特徴は1回分もしくは1人分のみの包装なので、計量する必要がない、常に新鮮な状態で使えるなどのメリットがあります。

しかし、ポーションパックは複数回の使用を想定している容器に比べて、内容物の容積に対する包装材料との接触面積が大きくなりがちです。そのため、容器材質や厚みについては、内容物の特性や品質保持期限を満足するバリア性を十分考慮して設計しておかないと、製品の品質劣化につながってしまいます。

例えば、醤油500ccや1リットル容量のPETボトル入りの場合と、5ccの小容量パックとでは、小容量パックの方が1cc当たりの包装容器の接触面積が大きくなります。
仮にPETボトルと小容量パックのバリア性が同じであった場合、醤油1ccあたりに包装材料を透過してくる酸素や水蒸気は小容量パックの方が多くなることになります。

つまり、小容量パックの包装材料が同じ材料、同じバリア性であった場合は品質保持期限が短くなることになり、同じ品質保持期限を満たそうとすれば材料を変更しバリア性を向上しておかなければならない、ということです。

ポーションパックは1回分使い切りの包装ということで簡単なものと思われがちですが、小容量であるが故に包装材料をどうするかが大きなポイントとなります。
バリア性と包装作業性と包材コストとのバランスをどう取るかが重要になってくる訳ですね。

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